「君の研究で。経営を解こう」というタイトルの通り、理系学生向けに開催された、実際の企業における経営課題解決のインターンシップに参加してきました。
そこで、我々のチームは優勝することができました!
さらに日本経済新聞社主催 「Data Society Fes 2020 Student Academy Week 学生 LT 大会」への出場資格をいただき、そこでも優勝することができました!!
この記事では、インターンの流れや「LabMeets (ラボミーツ)」と「Data Society Fes 2020 Student Academy Week 学生 LT 大会」で優勝するにあたってチーム内でどのようなディスカッションが行われたのかについて書いていきます。
具体的な提案については、機密保持の関係から書くことができないため、どういった視点を重視して議論を進めたかについてまとめます。
ちなみに、この記事ではAIという単語を連発しますが、僕自身のスタンスとして、基本的にAIという単語はその分野に対して思考停止や誤解させかねない単語だと思っているので普段は使いませんが、今回は簡単のため使用します。
どんなインターンに参加したの?
LabMeetsとは?
株式会社POL(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:加茂倫明 以下、当社)は、2020年11月2日より、株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博、以下、電通)の専門組織、電通若者研究部と、理系学生の研究を企業の経営課題解決に活用する複数企業合同インターンシップの名称です。
募集要項
- 対象者:計3日間参加できる、AIを専攻に研究するもしくは研究やインターンシップでAI活用した経験がある大学生
- 優勝賞品:優勝チームには、研究応援費10万円と12月11日(金)に予定している日本経済新聞社主催「Data Society Fes 2020 Student Academy Week 学生LT大会」への登壇権を贈呈
- 参加特典:交通費・研究補助費として5000円を贈呈
LabMeets実施概要
●テーマ:エデュテイメント領域におけるAI活用
●スケジュール
- Day1:11月25日(水) 13:00-18:00(終日オンライン開催)
- オリエンテーション
- グループワーク
- 施設見学
- Day2:12月2日(水)13:00-18:00(終日オンライン開催)
- 第1回プレゼンテーション
- フィードバック/グループワーク
- Day3:12月8日(火)13:00-18:00(終日オンライン開催)
- 最終プレゼンテーション
- 講評・懇親会
申し込んだ際は、半日×3回だけなので、簡単なインターンかなと思い、気軽に申し込みましたが、実際に参加をしてみたら、全く3日間で終わりませんでした。
三週間の開催期間中、みんなのスケジュールを合わせて、週3回×2~4時間程度のチームミーティングをおこなってなんとか仕上げることができたという、なかなかハードなインターンでした!(笑)
Day1
オリエンテーション
主催企業の紹介と、全体での簡単な自己紹介、チーム分け発表、簡単なアイスブレイクが行われました。
キーノートスピーチ
AINOW編集長のおざけんさんからのスピーチがありました。
最近のAIを活用して成功した案件や、逆うまくいかなかったときの共通点などを教えていただきました。
スピーチの内容を要約すると、
AIを使いたい、最新のモデルを使いたいという、手段が目的になってしまう案件は基本的に失敗する。
だから、こそ、自分たちが解決するべき課題は何か定義することが極めて重要であるという内容でした。
また、今回の課題について考える際は、
- 課題
- データ
- AI(技術)
この順序になることを常に意識してください。
というお言葉をいただきました。
議論が煮詰まって、苦しいタイミングでも、この言葉を全員が念頭において、何度も原点回帰したことが僕らチームが優勝することができた最大の要因だったと考えています。
テーマ発表



第1期は、株式会社イオンファンタジー(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長:藤原信幸、以下、イオンファンタジー)が課題提供企業として参画されました。
同社が追求する「あそび×まなび」=エデュテイメントの領域におけるAI活用がテーマにでした。その中でも特にキーワードとして
- 夢中という可視化できないものを可視化する
- 子どもの時に夢中になっていたものは何ですか?「キッズガーデンで遊んでいたことです!」となること
という言葉が挙げられました。
最終的には、ここで話された内容をもとに、自分たちで課題を設定し、その課題を解決できるような事業を提案することが今回のインターンということを理解しました。
このとてもフワッとしたテーマについて3週間、チームで議論し続けました。
Day2
現場の状況を共有
Day1でテーマ発表が行われ、その後、各自で近所にあるキッズガーデンを見学して、現場ではどういった人がどんな風にこの施設を活用しているのか、どんな課題があるのかについて調べたことを共有することから始まりました。
夢中を要素分解
その後、今回のキーワードである「夢中」がどのような要素から構成されているのかについてディスカッションを行いました。
このディスカッションがかなり難航していました。
ですが、結果的に夢中の要素分解に時間をかけたことで、根本的な課題はどこに隠れているのかという、「解決するべき本質的な課題」を明確にすることができたのでとても良いムーブだったと思います。
さらに、時間をかけて議論をしたので、全員がこの問題に対する理解が深まりその後のアイデアを出す際に、扇の要を得た意見を出すことに大いに貢献したと思います。
課題解決のためのスキームを作成
僕たちの班は、議論のどのフェーズでもおざけんさんの言葉をかなり重視していたので、最後の最後までどんなAIを使うかという議論はされませんでした。
それよりも、自分たちが設定した課題を解決するにあたって、どうしたら今までの常識を覆しながら、なおかつ、現実的に実現可能かを話し合いました。
そして、大枠を固めながらメンターの方に壁打ちをしてもらいながら詰めていきました。
メンターさんの助言にはかなり助けられました。
僕らだけで、議論をしていたときは完璧だと思っていた内容も、メンターさんに見ていただいたら、ここの要素が足りない、など、確かにそうだと思わされる指摘をいただけたからです。
そのおかげで、最終日までに足りない要素を埋めることができました。
ちなみに、どんなAIを活用するかという議論は、スキームを決定するまでにかけた時間を100とするなら3くらいで終わりました(笑)
↑正直、kaggleや研究をやっている方ならわかると思うのですが、どうやって設計するかという大枠の方針は割とすぐに決定できて、それ以降の細かい調整は実際にデータを触りながらその特性に応じて適宜判断していくことになると思います。いわゆる、PoCってやつですね。今回のインターンでは精度を競う大会ではないためここにはそこまで時間を割きませんでした。
夜中にミーティング&スライド作成
最終日の前日の夜中になんとかアイデアをまとめることができたので、そこから全員で分担しながらスライドを作成して発表に備えました。
Day3
評価項目
- 子どもの夢中度
- 課題の深さ(重要度)
- 適材適所で技術が使えているか
- ターゲットの明確度
- UX/ ユーザがどういうふうに使ってどうなるのかを明確にできているか
- イオンファンタジーさんへのインパクト(どれだけ売り上げが上がって、どれだけコストが下がるか)
発表
開始から1時間だけ最終調整の時間はありましたが、最後は発表の練習をして終わりました。
また、質疑応答にどうやって答えるか、想定質問の対策をしていました。
発表はメンバーの一人に一貫してやってもらいました。
とても上手に発表をしてくれました!!本当に感謝です。
ありがとうございました!!!
結果
100名以上の応募から、30名の選考、6チームが作成され、その中で優勝することができました!!!
かなり時間を割いて考えたアイデアだったので、評価していただけてとてもうれしかったです。
Data Society Fes 2020 Student Academy Week 学生 LT 大会



Day3の質疑応答の部分で、提案したスキームにおけるマネタイズポイントの根拠について、聞かれる場面があったため、LT大会に備えて、根拠をよりクリアにするためにあらかじめフェミル推定をして市場規模とどれだけの利益が見込めるかの予測を立てておきました。
また、LabMeetsの審査員はイオンファンタジーの社長さん、おざけんさん、AI開発会社のデータサイエンティストの方だったので、どちらかというとスキーム重視で発表をしましたがLT大会では、参加者の傾向から技術も重視する傾向にあるという情報があったため、技術をさらに深堀し、根拠となる論文をそろえることをしました。
その結果、LabMeetsの発表をさらにアップデートでき、技術方面に関する質問も無事対応することができ、こちらでも優勝することができました!
LabMeetsを振り返って
自分なりになぜ優勝することができたのかについて考えてみました。
他の班との決定的な差について考えてみました。
優勝できた要因
僕らのチームが他の班と大きく異なった点は、ほとんどの班は
「△△という課題に対して、解決策としてAIを使って〇〇します!」
という、AIで解決できそうな課題に焦点を当てた発表になっていたと思いました。
一方、僕らの班では、
「△△という課題に対して、こういったスキームを作成しました。そのスキームの一部に、AIを使うことでイオンファンタジー独自の価値を生み出せるandノウハウが蓄積できるようになります。」
という提案になっていた点だと思います。
あくまでAIは手段というスタンスを貫き、根本的な構造を変化させることで課題を解決するような提案をしました。その中の一部として、AIを使った方がより価値提供ができ、利益につながるという枠組みを作ることができた点で評価されたように思いました。
ただ、もしかしたら、課題を提供していただいた会社からすると前者のような発表を期待していたかもしれないので、若干リスクがある発表になったかなとも思います。
結果的に評価をしていただけたので良かったです。
班のみんなで夜中に、ステークホルダーを洗い出し、事実と自分たちの仮説を区別しながら、それぞれのメリット・ベネフィットを詰めて、全てのステークホルダーに対してWin-Winの関係を構築&妥当性の根拠を準備するために頭をひねった時間は最高に楽しかったです!!!
反省点
序盤の議論でチーム全体が煮詰まった際に、本来ならこの議論の目的と落としどころの目安をどうにか提示するべきだった点で頭が回らず会議の時間を長引かせてしまって点が申し訳なく思います。
また、議論の方向性について意識はしていましたが、自分が勝手に脱線することが何度かあったので、常にこの会議は何が目的で何を決めるために話し合っているのか可視化する重要性を感じました。
また、根拠の妥当性の部分でリサーチが間に合わず、不安に思っていた部分は、案の定指摘されたので、その点は反省です。
学んだこと
普段はkaggleなどあらかじめ問題設定されているものに対して最適解は何かという点を突き詰めていくことをやっていますが、今回のインターンでは自分たちで課題を設定し、その課題の妥当性の評価から解決方法までを網羅的にすることができとても面白かったです。
課題設定の面白さと難しさを学べました。
また、これは一般的なスキル的な面ですが、メンバーそれぞれのスキルについても僕はかなり衝撃を覚えました。
僕自身、まとめ役をすることは多いのですが、今回に関しては、まとめ役はより優れた子に行ってもらいました。
全員が気持ちよく議論に参加し、方向性が違ってきたら修正し、他者の意見を尊重し、それでも自分の意見も正しく主張する方法を仲間として体験することができた貴重な経験でした。
ぜひトレースしたいと思いました。
また、見せるためのスライドの作成方法についてもかなり勉強になりました。
基本的に文字は少なく、図で理解してもらうという前提は同じだったのですが、自分が作成したものからさらにアップデートして分かりやすいスライドに短時間で変化したことは衝撃的でした。
また、ディスカッションがメインとなるインターンだとメンバーのうち誰かはあまりやる気がないみたいな状態になりがちですが、そういったこともなく全員が全力でひとつの目標に対して思考する時間を楽しめたので、こういった面でもメンバーに恵まれたと思います。
まとめ



普段なかなか行わない、課題設定というタスクについて、事実をもとに理論展開をしていく作業をチームで行えてとても楽しかったです。
素晴らしい機会を提供してくださった、POL、電通、イオンファンタジーのみなさん、本当にありがとうございました。
また、チームメイトのみなさん、一緒に戦ってくれてありがとうございました!!!
プログラミング以外にもまだまだ自分が伸ばさなければならないスキルについて認識できた良い機会になりました。
さらに、どうすればさらに成長できるのかについてもお手本を見ることができたのでとても良かったです。
kaggleもとても楽しいですが、こういった課題設定についても面白いと思いました。積極的に参加していこうと思うきっかけになりました。
どちらも極めて、自身の市場価値を高めていけるように残りの学生生活引き締めていきます!!
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